2022年の振り返りとか
2022年を振り返る。
去年の抱負
去年は、次のような抱負を掲げていた。
この抱負のことはすっかり忘れていて、結局あまり達成できなかったように思う。しかし、代わりに予定にはなかったこまごまとした考察を行った。それなりに楽しめたので、個人的には満足している。以下で個別に振り返っていく。
サイトの更新
はてなブログ
はてなブログ「pzdcの雑記」を引き続き更新している。今後もしばらくはここがメインで活動していく予定である。
scrapbox
scrapboxのアカウントを作成(登録)して、2つのProjectを作成した。
scrapbox Project「pzdc-note01」には、雑多なメモ(このブログ以下のこと)を書いている。一応公開されているコンテンツなので、嘘は書かないように心がけてはいるが、あくまで個人のメモ書き程度の信頼度だと思ってほしい。このProject内に、pzdcのコンテンツの一覧を作成した。飽き性なのもあり、色々な場所で少しずつ活動をしており、しばしば自分でも全貌が見えなくなる。見通しを良くしていきたい。
scrapbox Project「pzdc-ShapeCollection-2D」では、個人的に「形」のコレクションをしている。動機としては、何か新しい図形を見た時に、「これは○○な形だ」と言えるようにしたい、というのがある。「U字型」などは言葉で説明できるが、ほとんどの形は言葉で説明することが難しい。語彙を増やしたいのである。それによって研究考察が進む面もあると思っている。このProjectは今後もチマチマ更新していく予定である。
また、わんど氏から招待されて、「ペンシルパズル百科」というProjectにも加わった。ただ、こちらはほとんど貢献できていない。私なりに見つけた情報を入れていきたい。
天体ショー研究Wiki
主に2022年の前半に、天体ショー関連の考察的な話題について書いていた。個人的には「用語集」の方を充実させたいのだが、なかなか手が付けられていない。
考察
2022年はこまごまとした考察記事を書いていた。
点対称ポリオミノの引き算
今年の2月に「点対称ポリオミノの引き算」についてツイートをした。この話題をどういう経緯で私が考え始めたのかは正確には不明だが、おそらく、みよしじゅんいち氏(@nosiika)の影響があったと思う(この頃図形の足し算、引き算の話題をニコニコ動画で見ていた記憶がある)。点対称図形というのが私的に夢中になるポイントで、しばらくこの話題について考えふけっていた。Twitterでも反応をいただき、この話題はいくらか広がりがあった。この頃わんど氏(@wand_125)に招待いただいたDiscordサーバーでも一時期この話題が広がっており、(一応クローズな場だと思うのであまり詳しくは書かないが)何人かの功績があった。Tatt氏(@tatt61880)に、「点対称ポリオミノの引き算」ツールを作っていただき、研究がしやすくなった。このあたりの経緯については、「ポリオミノ:2ピース引き算の形 - 天体ショー研究Wiki」にまとめている。
増殖形に関する結果は、同じく天体ショー研究Wikiの「ポリオミノ:2ピース引き算の増殖形」と、「ポリオミノ:2ピース引き算の有限増殖形」にまとめている。
ポリオミノの点対称ポリオミノ分解
ポリオミノを、点対称ポリオミノに分解する、というのは、天体ショーのコンセプトそのものである。これについて調べたいと思うのは自然なことである。そのために、いくつかページを作った。
しかし、現状では大した結果は得られていない。また機会があれば、この話題についてもう少し掘り下げたいと思っている。
最大クライミング問題
天体ショーの「最大クライミング問題」について1月にツイートをした。これも興味深い議題である(自分で言う)。この話題に関しては、特にbay氏(@bayrenshu)に貢献いただいた。おそらく幅の2倍あたりまでクライミングできるのだろう、と予想はしているが、決着はついていない。この問題については天体ショー研究Wikiの「疑問5:最大クライミング問題」にまとめている。
ボーダートランスファーの作問可能性
「ボーダートランスファー」というものを考えていた。天体ショー研究Wikiの「疑問9:ボーダートランスファーの作問可能性」に詳細を書いている。考察を書いていく中で、興味が移ってしまい、結局本題の考察が進んでいない。
天体ショーだけにしろの作問可能性
こちらは以前から気になっている話題である。「疑問10:天体ショーだけにしろの最少表出数」に詳細を書いている。
点対称関連の疑問のまとめ
天体ショー研究Wikiに、ペンパに関係あるのかないのか分からないが、ともかく、私の興味のあるいくつかの話題についてまとめるページを作っている。一つは「未解決問題集」であり、もう一つは「挑戦的な問題」である。前者では数学寄りの問題を、後者ではペンパ寄りの問題を取り上げている。
四角に切れを作れない配置
このツイートで書いた疑問。
シルエットパズル
シルエットパズルについて、2021年は輪郭抽出について書いていた。2022年は、
という風に3つの視点で記事を書いた。どれも考察が浅くて、今のところは面白い結果は得られていない。もう少し真面目に考察を進めていきたい。
カーブデータ
「カーブデータの記号」では、記号の列挙を行った。また、「カーブデータの基本」では基本的なロジックの説明を試みた。もう少し進んだ考察をしたいところ。
T字曲線の列挙
「T字曲線を数える」では、トポロジー的な数え上げの話題について考えていた。これを推し進めた結果飽きてしまった。テーマ自体は掘り下げる余地があるように思うのだが、掘り下げ方がうまくいっていない印象。
長方形の隣接パターンの列挙
「長方形の隣接パターン」と「長方形の隣接パターン(2)」を書いた。これも随分と趣味的な数え上げの話。
美術館の照明数
美術館の照明数について、考えてきた。
この話題だけでかなり書いている。ブログらしく、紆余曲折をダラダラと書いている。記事が増えてきて見通しが悪いので、いつか結果をまとめ直すかもしれない。ちなみにこの話題はまだ尽きておらず、現在「照明 (9)」を準備中である。なぜ今になって美術館の考察にこんなに力を入れているのか?というのは私自身もよく分からない。「この話題はもういい!」と思っても、気づいたらまた考えている。
へやわけ(逆問題)
へやわけで特定の黒マスの配置が作られうるか、という疑問について、まずは問題提起の記事を書いた。来年以降、考察を進めていきたい。
コンテンツ作成
OEISの備忘録
OEISの整数列の備忘録のようなものを作成した。現在までに4つのページと、目次ページを作っている。もっとページを増やしたいところだが、体力が削られる様子だったため、更新は停止している。体調が万全になったら再開するかもしれない。
パズル動画
「【カーブデータ】ことばのおばけがまどからみている(未完成)」という動画をニコニコ動画にあげた。タイトルの通り未完成である。未完成で公開したのは、進捗がサチってしまっているからである。いつかちゃんと完成させないとなーとは思っている。
書込のバリアント(アドベントカレンダー)
アドベントカレンダーの記事を書いた。書込は普段、(多くの場合は)紙の上で行っているため、記事に載せるにあたって画像をどのように用意するのか、というのが悩ましかった。この記事では自作問題の画像に対してペンタブで書込を行うことで再現を試みた。その結果、思っていた以上に再現度の高いものを作ることができて、満足している。時間的な都合などもあり、画像枚数が十分に用意できなかった点が悔やまれる。
作ったパズル、構想
旧ブログのように作ったペンパを置いておく方式はやめたので、今は作ったパズルは全てTwitterに放流している。とはいえ、そもそもそれほどパズルを作っていない。
作ったパズル
今年は、「天体ショー on line」、「シャケシャケ」、「美術館のバックヤードにファイブセルズ」、「アイスロームのURLに日本語を入れる」、といったパズルを作った。
構想
隙間が点対称になるように点対称ポリオミノを箱詰めするパズルを作りたい、と考えていた。
るっくえあとキンコンカンのハイブリッドが作りたい、と考えていた。
また、情報量の多い箱詰めが作りたい、と考えていた
解いたパズル、買ったパズル
以前から気になっていた「JIGSAW 19」(HANAYAMA、「沼パズル」シリーズ、2021)を解いた。19という数字からもわかるようにトリッキーなパズルである。どういうトリックかある程度知っていても(ネタバレしていても)、解き方の戦略を立てるのが面白い(独特のロジックがある)。これが良かったので、同シリーズの「JIGSAW 29」「JIGSAW 16」も買った。29と16は、まだ解けていない。
「Four Pieces Flip Over」(葉樹林、Osho氏、2022)を解いた。この手のフリップパズルは大好きである。難易度も私的にバランスが良かった。 「Flip Over Abolo」(葉樹林、Osho氏、2021)を解いた。アボロのフリップは慣れない感覚があって、思わぬ動かし方に気づく瞬間が楽しかった。 「bird PUZZLE」(葉樹林、Osho氏、2016)を買ったが、解けていない。not color matchのパズルなのだが、そもそもnot color matchを解いたことがなく、まだ解き方の感覚がつかめていない。 「テトラスポット」(葉樹林、Osho氏)を解いた。この手の情報の与え方はペンシルパズルでよくあるので、さほど驚きはなかった。が、意外と苦戦する場面もあった。
「ポリックス」(幻冬舎、小田原充宏氏、2020)を解いた。箱の大きさに対してパズルの大きさが小さい点や、問題集(冊子)の紙の折れ目がずれている点など、個人的に気になる点がチラホラとあった。ただ、パズルの問題自体は良くできていて、難易度がじわじわ上がる進み方がいい塩梅だった。また、問題の出し方に美学も感じられて、良かった。
みのるパズルの「恐竜のタマゴ?」、「Tricky?」を解いた。安定の面白さである。みのるパズルは、パズルの品質の高さに加えて、触り心地が良い点も評価に値する。木材の温かみがありつつ、手に優しい滑らかな加工に、動かすときの気持ちいい音。いつまでも触っていたくなるパズルである。同じくみのるパズルの「SOLO」も買ったが、こちらはまだ解けていない。
マッチ箱パズル「LOVE」を買って解いた。ちょっと珍しいシルエットパズルがあるな、と思って買ったのだが、驚くほど簡単で、正直ガッカリさせられた。悪い製品というわけではなく、非マニア向けの商品(ターゲットの違い)なのだろう。
「ペンタマニア」(TESSELLATIONS、イメージミッション木鏡社)を買った。これはパズルではなく、図形のタイリングを楽しむグッズ。まあまあ遊べる。
「ロンポス303」(HANAYAMA、かつのう、2022)を解いている。これは息が長く遊べるパズルという印象で、実際、まだ解き終わっていない。2023年も時々思い出しては解くことになりそうだ。この手のパズルも常にストックしておきたい。
「4L Basket」(DYLAN工房(MINE)、まつもと木工所、みうら氏、2018)を解いた。解けるまでが意外と長かった。解けてしまうと思ったよりシンプル。
ASOBIDEAのパズルカレンダー(ASOBIDEA、Lixy氏、2022~)もいくつか買って解いた。意外と難しい。
その他
Discord
わんど氏に招待されて、ペンパ関連のDiscordサーバーに参加した。最近、わんど氏が「Puzsq Meets(仮)」というサーバーを作成されたという告知があり、私も登録をした。
書込
おそらく10年ほど前から続けている書込の探索だが、今年から新たな試みとして筆ペンを使用している。
囲碁
以前から棋譜を見るのが好きだったのだが、今年は棋譜並べに一層力を入れていた。対戦をするよりも、考察をしたり、棋譜並べをしたりする方が性にあっている。
読書
途中まで読んでいた「よくわかるトポロジー」(山本修身著、森北出版、2015)を(おおむね)最後まで読んだ。代数的な部分と幾何的な部分の関係性が好きで、ホモトピー群、ホモロジー群についてはもっと勉強していきたいと思っている。関連して、これまでさほど興味がなかった加群や自由加群への興味が強まりつつある。
「シローの定理」(佐藤隆夫著、近代科学社、2015)も読み進めた。内部直積、外部直積あたりの理解が進んで、大きな進歩があった。病気の影響で、数式を追わずに本を読むことが増えた結果、以前よりも「ゆるく」読むのがうまくなって、全体像が掴みやすくなった。思わぬ収穫である。
総括
2022年は、考察に力を入れた一年だったように思う。pzdcはもとよりパズルの考察をすることを主目的としているため、これはいい傾向である。ただ、代わりに、パズルを解く・作る方にあまり力を入れられなかった点が気になっている。また、色々なことに手を出した結果「未完成」のコンテンツが増えてきたことを危惧している。あまり手を広げすぎずに、自分にできる範囲のことで進めていった方がいいかもしれない。
抱負
2023年は次の3つの目標を立てる。
未完成で終わらせない
未完成で放置するのは味が悪いので、完成させるなら完成させる、ではっきりさせたい。
考察を前進させる
考察はいい流れになりつつあるので、この調子で進めていきたい。
パズルを解く、作る
定期的にパズルを解いたり作ったりして、感覚を忘れないようにしていきたい。