パズルっぽい話題 2

私の自宅から最寄りの書店は、悲しいことに、数学書コーナーや物理書コーナーがあまり充実していない。そこで、まともな本を見たいときはわざわざ都心まで遠出するのだが、コロナ禍というのもあって、これがなかなかやりづらい。

そこで、しかたがなく、「ブルーバックス」などを眺めているのだが、意外といってはなんだが、結構読んでいて面白いものもあるようだ(多くの場合はゆるい話にとどまっているのだが、それでもインターネット上にある信頼度の低い記事を読むよりはずっと有益である)。

それらの書籍の中から、パズル寄りのものをいくつか紹介する。

「多角形と多面体」日比 孝之(著)、講談社ブルーバックス (2020)

格子点を頂点とする多角形が、内部にいくつの格子点を含むか?辺上にいくつの格子点を含むか?という疑問がある。基本的な疑問で、簡単そうだが、結構面白い話が広がっているようだ。1章から5章までで、「ピックの定理」、「エルハート多項式」という2つのキーワードが紹介される。この2つはパズラーとして知っておくと視野が広がるかもしれない。6章以降はまだ読んでいないが、読んでおきたい部分である。

「四角形の七不思議」細谷 治夫(著)、講談社ブルーバックス (2021)

最近書店で見つけた本である。数学というより、パズル寄りの話題が集まっている。一般の人には受けにくいかもしれない(そもそも、一般の人が「四角形について知りたい!」と思うのか怪しい)が、パズラーとしては、すごく、嬉しい本である。特に図形パズルに興味がある人や、初頭幾何学の問題に関する知見を広げたい人には、有用だろう。私も少しずつ読み進めている。

「宇宙を解くパズル」カムラン・バッファ(著)、水谷 淳(訳)、講談社ブルーバックス (2022)

タイトルに「パズル」とあるので手に取った本。弦理論が専門の人が書いたらしく、パズルの本というより物理の感覚をつかむための本である。パズル自体は、見覚えのあるパズルがほとんどである。なんとなくガッカリする解法のものが多い。論理パズルや離散数学的なパズルや幾何学的なパズルなど、幅広い種類があるので、ブルーバックスでよく見かける論理パズル本とは異なる面白さがある。物理に関しては、私は素粒子が専門ではないのでなんとも言えない。