OEIS:約数の個数(1)

OEIS(http://oeis.org/)で約数の個数に関する整数列を整理する。

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約数の個数とオイラーのφ関数

A5(約数の個数)とA10(オイラーのφ関数)を色々な所で見かける。まずはこの2つの整数列を見てみる。

A5(約数の個数)

A000005 - OEIS

データ

n123456789101112...
A5(n)122324243426...

数列(offset=1)は 1, 2, 2, 3, 2, 4, 2, 4, 3, 4, 2, 6, 2, 4, 4, 5, 2, 6, 2, 6, 4, 4, 2, 8, 3, 4, 4, 6, 2, 8, 2, 6, 4, 4, 4, 9, 2, 4, 4, 8, 2, 8, 2, 6, 6, 4, 2, 10, 3, 6, 4, 6, 2, 8, 4, 8, 4, 4, 2, 12, 2, 4, 6, 7, 4, 8, 2, 6, 4, 8, 2, 12, 2, 4, 6, 6, 4, 8, 2, 10, 5, 4, 2, 12, 4, 4, 4, 8, 2, 12, 4, 6, 4, 4, 4, 12, 2, 6, 6, 9, 2, 8, 2, 8, ... と続く。

定義

約数の個数。すなわち、1以上n以下の整数の内、nを割り切るような数の個数。

例えば n=6 の約数は {1, 2, 3, 6} であるため、A5(6)=4。この例の場合、1と6が含まれること、4が含まれないことに、注意。

この関数は d(n)や、τ(n)、あるいは σ0(n) と書かれることがある。σx(n) は、約数関数と呼ばれる関数の集合である。Wikipedia 約数関数に説明がある(図1)。

図1 Wikipedia 約数関数 からの引用

上の図1中にも記載があるが、σ1(約数の総和の関数)を指して約数関数と呼んだり、σ(n)と書いたりする場合がある。

n A5(n) 説明
1 1 1の約数は、1のみ
2 2 1, 2の内、2の約数は{1, 2}の2つ
3 2 1,2,3の内、3の約数は{1, 3}の2つ
4 3 1,2,3,4の内、4の約数は{1,2,4}の3つ
5 2 1,2,3,4,5の内、5の約数は{1, 5}の2つ
6 4 1,2,3,4,5,6の内、6の約数は{1,2,3,6}の4つ
7 2 1,2,...7の内、7の約数は{1,7}の2つ
8 4 1,2,...8の内、8の約数は{1,2,4,8}の4つ
9 3 1,2,...9の内、9の約数は{1,3,9}の3つ
10 4 1,2,...10の内、10の約数は{1, 2, 5, 10}の4つ
11 2 1,2,...11の内、11の約数は{1, 11}の2つ
12 6 1,2,...12の内、12の約数は{1, 2, 3, 4, 6, 12}の6つ

A10(オイラーのφ関数)

A000010 - OEIS

データ

n123456789101112...
A10(n)1122426464104...

数列(offset=1)は 1, 1, 2, 2, 4, 2, 6, 4, 6, 4, 10, 4, 12, 6, 8, 8, 16, 6, 18, 8, 12, 10, 22, 8, 20, 12, 18, 12, 28, 8, 30, 16, 20, 16, 24, 12, 36, 18, 24, 16, 40, 12, 42, 20, 24, 22, 46, 16, 42, 20, 32, 24, 52, 18, 40, 24, 36, 28, 58, 16, 60, 30, 36, 32, 48, 20, 66, 32, 44, ... と続く。

定義

1以上n以下の整数の内、nと共通因子を持たない数の個数。

例えば、n=6 と共通因子を持たない数は {1, 5} であるため、A10(6)=2。この例の場合、1が含まれること、6が含まれないことに、注意。

オイラーのφ関数、オイラーのトーシェント関数と呼ばれる。Wikipedia オイラーのφ関数に記載がある。

n A10(n) 説明
1 1 1のみ(1は、1と互いに素)
2 1 1,2の内、2と互いに素な数は1のみ
3 2 1,2,3の内、3と互いに素な数は{1,2}の2つ
4 2 1,2,3,4の内、4と互いに素な数は{1,3}の2つ
5 4 1,2,3,4,5の内、5と互いに素な数は{1,2,3,4}の4つ
6 2 1,2,3,4,5,6の内、6と互いに素な数は{1,5}の2つ
7 6 1,2,...7の内、7と互いに素な数は{1,2,3,4,5,6}の6つ
8 4 1,2,...8の内、8と互いに素な数は{1,3,5,7}の4つ
9 6 1,2,...9の内、9と互いに素な数は{1,2,4,5,7,8}の6つ
10 4 1,2,...10の内、10と互いに素な数は{1, 3, 7, 9}の4つ
11 10 1,2,...11の内、11と互いに素な数は{1, 2, 3, ..., 10}の10個
12 4 1,2,...12の内、12と互いに素な数は{1, 5, 7, 11}の4つ

A5とA10の関係

A5(約数の個数)とA10(オイラーのφ関数)の関係を少し整理しておく。

n=12 の時、計上する対象は、A5とA12で、それぞれ下表の通りになる。

123456789101112
A5(12)
A10(12)

両者は(いくらか)相補的である。1 のみが重複して計上され、それ以外に交わりはない。8, 9, 10 の3つの数は、どちらにも含まれない。

約数の個数とオイラーのφ関数に関連する整数列

A49820(約数でない数の個数)

A049820 - OEIS

データ

n123456789101112...
A49820(n)001132546696...

数列(offset=1)は、0, 0, 1, 1, 3, 2, 5, 4, 6, 6, 9, 6, 11, 10, 11, 11, 15, 12, 17, 14, 17, 18, 21, 16, 22, 22, 23, 22, 27, 22, 29, 26, 29, 30, 31, 27, 35, 34, 35, 32, 39, 34, 41, 38, 39, 42, 45, 38, 46, 44, 47, 46, 51, 46, 51, 48, 53, 54, 57, 48, 59, 58, 57, 57, 61, 58, 65, ...と続く。

定義

1以上n以下の整数の内、nを割り切らないような数の個数。

n A49820(n) 説明
1 0 1以上1以下の数で1を割り切らないような数は存在しないため、0
2 0 1,2は、ともに、2を割り切るため、0
3 1 1,2,3の内、3を割り切らないのは、{2}の1つ
4 1 1,2,3,4の内、4を割り切らないのは、{3}の1つ
5 3 1,2,3,4,5の内、5を割り切らないのは、{2,3,4}の3つ
6 2 1,2,3,4,5,6の内、6を割り切らないのは、{4,5}の2つ
7 5 1,2,...7の内、7を割り切らないのは、{2,3,4,5,6}の5つ
8 4 1,2,...8の内、8を割り切らないのは、{3,5,6,7}の4つ
9 6 1,2,...9の内、9を割り切らないのは、{2,4,5,6,7,8}の6つ
10 6 1,2,...10の内、10を割り切らないのは、{3,4,6,7,8,9}の6つ
11 9 1,2,...11の内、11を割り切らないのは、{2,3,...10}の9つ
12 6 1,2,...12の内、12を割り切らないのは、{5,7,8,9,10,11}の6つ

関係

A5(約数の個数)と相補的、すなわち、

A49820(n) = n - A5(n)

表で確認。

n123456789101112...
A5(n)122324243426...
A49820(n)001132546696...

A1227(奇数の約数の個数)

A001227 - OEIS

データ

n123456789101112...
A1227(n)112122213222...

数列(offset=1)は、1, 1, 2, 1, 2, 2, 2, 1, 3, 2, 2, 2, 2, 2, 4, 1, 2, 3, 2, 2, 4, 2, 2, 2, 3, 2, 4, 2, 2, 4, 2, 1, 4, 2, 4, 3, 2, 2, 4, 2, 2, 4, 2, 2, 6, 2, 2, 2, 3, 3, 4, 2, 2, 4, 4, 2, 4, 2, 2, 4, 2, 2, 6, 1, 4, 4, 2, 2, 4, 4, 2, 3, 2, 2, 6, 2, 4, 4, 2, 2, 5, 2, 2, 4, 4, 2, 4, 2, 2, 6, 4, 2, 4, 2, 4, 2, 2, 3, 6, 3, 2, 4, 2, 2, 8, ...と続く。

定義

奇数の約数の個数

n A1227(n) 説明
1 1 1の奇数の約数は、1のみ
2 1 1, 2の内、2の奇数の約数は1のみ
3 2 1,2,3の内、3の奇数の約数は{1, 3}の2つ
4 1 1,2,3,4の内、4の奇数の約数は1のみ
5 2 1,2,3,4,5の内、5の奇数の約数は{1, 5}の2つ
6 2 1,2,3,4,5,6の内、6の奇数の約数は{1,3}の2つ
7 2 1,2,...7の内、7の奇数の約数は{1,7}の2つ
8 1 1,2,...8の内、8の奇数の約数は1のみ
9 3 1,2,...9の内、9の奇数の約数は{1,3,9}の3つ
10 2 1,2,...10の内、10の奇数の約数は{1, 5}の2つ
11 2 1,2,...11の内、11の奇数の約数は{1, 11}の2つ
12 2 1,2,...12の内、12の奇数の約数は{1, 3}の2つ

A183063(偶数の約数の個数)

A183063 - OEIS

データ

n123456789101112...
A183063(n)010202030204...

数列(offset=1)は、0, 1, 0, 2, 0, 2, 0, 3, 0, 2, 0, 4, 0, 2, 0, 4, 0, 3, 0, 4, 0, 2, 0, 6, 0, 2, 0, 4, 0, 4, 0, 5, 0, 2, 0, 6, 0, 2, 0, 6, 0, 4, 0, 4, 0, 2, 0, 8, 0, 3, 0, 4, 0, 4, 0, 6, 0, 2, 0, 8, 0, 2, 0, 6, 0, 4, 0, 4, 0, 4, 0, 9, 0, 2, 0, 4, 0, 4, 0, 8, 0, 2, 0, 8, 0, 2, ...と続く。

定義

偶数の約数の個数。

n A183063(n) 説明
1 0 1の偶数の約数は存在しない
2 1 1, 2の内、2の偶数の約数は2のみ
3 0 1,2,3の内、3の偶数の約数は存在しない
4 2 1,2,3,4の内、4の偶数の約数は{2,4}の2つ
5 0 1,2,3,4,5の内、5の偶数の約数は存在しない
6 2 1,2,3,4,5,6の内、6の偶数の約数は{2,6}の2つ
7 0 1,2,...7の内、7の偶数の約数は存在しない
8 3 1,2,...8の内、8の偶数の約数は{2,4,8}の3つ
9 0 1,2,...9の内、9の偶数の約数は存在しない
10 2 1,2,...10の内、10の偶数の約数は{2,10}の2つ
11 0 1,2,...11の内、11の偶数の約数は存在しない
12 4 1,2,...12の内、12の偶数の約数は{2,4,6,12}の4つ

関係

奇数のnに対しては常にA183063(n)=0。

偶数のn=2kに対しては、A183063(2k)=A5(k)。

ここで、A5は約数の個数。

A5(n) =A1227(n) + A183063(n)

(約数の個数)=(奇数の約数の個数)+(偶数の約数の個数)

A1221(素数の約数の個数)

A001221 - OEIS

データ

n123456789101112...
A1221(n)011112111212...

数列(offset=1)は、0, 1, 1, 1, 1, 2, 1, 1, 1, 2, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 2, 1, 2, 1, 2, 1, 2, 1, 3, 1, 1, 2, 2, 2, 2, 1, 2, 2, 2, 1, 3, 1, 2, 2, 2, 1, 2, 1, 2, 2, 2, 1, 2, 2, 2, 2, 2, 1, 3, 1, 2, 2, 1, 2, 3, 1, 2, 2, 3, 1, 2, 1, 2, 2, 2, 2, 3, 1, 2, 1, 2, 1, 3, 2, 2, 2, 2, 1, 3, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 1, 2, 2, 2, 1, 3, 1, 2, 3, 2, 1, 2, 1, 3, 2, ...と続く。

定義

素数である約数の個数。すなわち、1以上n以下の整数の内、nを割り切り、かつ、素数であるような数の、個数。

ω(n)と書かれる。

n A1221(n) 説明
1 0 1の素数の約数は存在しない
2 1 1, 2の内、2の素数の約数は2のみ
3 1 1,2,3の内、3の素数の約数は3のみ
4 1 1,2,3,4の内、4の素数の約数は2のみ
5 1 1,2,3,4,5の内、5の素数の約数は5のみ
6 2 1,2,3,4,5,6の内、6の素数の約数は{2,3}の2つ
7 1 1,2,...7の内、7の素数の約数は7のみ
8 1 1,2,...8の内、8の素数の約数は2のみ
9 1 1,2,...9の内、9の素数の約数は3のみ
10 2 1,2,...10の内、10の素数の約数は{2,5}の2つ
11 1 1,2,...11の内、11の素数の約数は11のみ
12 2 1,2,...12の内、12の素数の約数は{2,3}の2つ

A20639(最小の約数)

A020639 - OEIS

データ

n123456789101112...
A20639(n)1232527232112...

数列(offset=1)は、1, 2, 3, 2, 5, 2, 7, 2, 3, 2, 11, 2, 13, 2, 3, 2, 17, 2, 19, 2, 3, 2, 23, 2, 5, 2, 3, 2, 29, 2, 31, 2, 3, 2, 5, 2, 37, 2, 3, 2, 41, 2, 43, 2, 3, 2, 47, 2, 7, 2, 3, 2, 53, 2, 5, 2, 3, 2, 59, 2, 61, 2, 3, 2, 5, 2, 67, 2, 3, 2, 71, 2, 73, 2, 3, 2, 7, 2, 79, 2, 3, 2, 83, 2, 5, 2, 3, 2, 89, 2, 7, 2, 3, 2, 5, 2, 97, ... と続く。

定義

A20639(n)は、nの最小の約数。Lpf(n)とも書く。

A6530(最大の素数約数)

A006530 - OEIS

データ

n123456789101112...
A6530(n)1232537235113...

数列(offset=1)は、1, 2, 3, 2, 5, 3, 7, 2, 3, 5, 11, 3, 13, 7, 5, 2, 17, 3, 19, 5, 7, 11, 23, 3, 5, 13, 3, 7, 29, 5, 31, 2, 11, 17, 7, 3, 37, 19, 13, 5, 41, 7, 43, 11, 5, 23, 47, 3, 7, 5, 17, 13, 53, 3, 11, 7, 19, 29, 59, 5, 61, 31, 7, 2, 13, 11, 67, 17, 23, 7, 71, 3, 73, 37, 5, 19, 11, 13, 79, 5, 3, 41, 83, 7, 17, 43, ...と続く。

定義

A6530(n)は、nの最大の素数約数。

A14197(オイラーのφ関数の逆の解の数)

A014197 - OEIS

データ

n123456789101112...
A14197(n)230404050206...

数列(offset=1)は、2, 3, 0, 4, 0, 4, 0, 5, 0, 2, 0, 6, 0, 0, 0, 6, 0, 4, 0, 5, 0, 2, 0, 10, 0, 0, 0, 2, 0, 2, 0, 7, 0, 0, 0, 8, 0, 0, 0, 9, 0, 4, 0, 3, 0, 2, 0, 11, 0, 0, 0, 2, 0, 2, 0, 3, 0, 2, 0, 9, 0, 0, 0, 8, 0, 2, 0, 0, 0, 2, 0, 17, 0, 0, 0, 0, 0, 2, 0, 10, 0, 2, 0, 6, 0, 0, 0, 6, 0, 0, 0, 3, ...と続く

定義

オイラーのφ関数(A10)の値がnとなるような解m(つまり、A10(m)=n)の個数。すなわち、A14197(n)=|{m|A10(m)=n}|。

この関数はTotient Valence Functionと呼ばれているようだ(Totient Valence Function -- from Wolfram MathWorldより)。

いくつかのnに対する解を下表に挙げるが、これらが全ての解であることを確認することは、私にはできていない。下界と上界を作って全探索で示せそうだが、難しそうである。

n A14197(n) 説明
1 2 φ(m)=1となるmは、{1, 2}の2つ
2 3 φ(m)=2となるmは、{3,4,6}の3つ
3 0 φ(m)=3となるmは、存在しない
4 4 φ(m)=4となるmは、{5,8,10,12}の4つ
5 0 φ(m)=5となるmは、存在しない
6 4 φ(m)=6となるmは、{7,9,14,18}の4つ
7 0 φ(m)=7となるmは、存在しない
8 5 φ(m)=8となるmは、{15,16,20,24,30}の5つ
9 0 φ(m)=9となるmは、存在しない
10 2 φ(m)=10となるmは、{11,22}の2つ
11 0 φ(m)=11となるmは、存在しない
12 6 φ(m)=12となるmは、{13,21,26,28,36,42}の6つ

上表の解は、Totient Answers For The First 1000 Integersを参考にした。

下図は参考図。青がオイラーのφ関数で、赤がその反転。(1, 1)だけ赤と青が重なる。縦列にある赤いマスの個数がA14197。

A97942(高度トーシェント数)

A097942 - OEIS

データ

n123456789101112...
A97942(n)124812244872144240432480...

数列(offset=1)は、1, 2, 4, 8, 12, 24, 48, 72, 144, 240, 432, 480, 576, 720, 1152, 1440, 2880, 4320, 5760, 8640, 11520, 17280, 25920, 30240, 34560, 40320, 51840, 60480, 69120, 80640, 103680, 120960, 161280, 181440, 207360, 241920, 362880, 483840, 725760, 967680, ...と続く。

定義

A97942は、次の条件を満たす数nを昇順に並べた数列。

  • 任意のk<nについて、A14197(k)<A14197(n)

A14197を小さいnから順番に見ていった時に、最大値の記録が更新されるようなnのリスト、ということ。

A14197は、オイラーのφ関数(A10)の逆問題の解の数(逆関数の価数)。

A14197(n)で確認。

n123456789101112...
A14197(n)230404050206...

表の値を左から見ていくと、n=1,2,4,8,12で、最大値の記録が更新されている。

A5277(nontotient)

A005277 - OEIS

データ

n123456789101112...
A5277(n)142634385062687476869094...

数列(offset=1)は、14, 26, 34, 38, 50, 62, 68, 74, 76, 86, 90, 94, 98, 114, 118, 122, 124, 134, 142, 146, 152, 154, 158, 170, 174, 182, 186, 188, 194, 202, 206, 214, 218, 230, 234, 236, 242, 244, 246, 248, 254, 258, 266, 274, 278, 284, 286, 290, 298, 302, 304, 308, 314, 318, ...と続く。

定義

A5277は、A10(・)=nを満たす解が存在しないような偶数のnを、昇順に並べた数列。

ここで、A10()はオイラーのφ関数。

メビウス関数と無平方数

素因数分解に関連して、メビウス関数というのもよく見かけるので、併せて整理しておく。

A8683(メビウス関数)

A008683 - OEIS

データ

n123456789101112...
A8683(n)1-1-10-11-1001-10...

数列(offset=1)は、1, -1, -1, 0, -1, 1, -1, 0, 0, 1, -1, 0, -1, 1, 1, 0, -1, 0, -1, 0, 1, 1, -1, 0, 0, 1, 0, 0, -1, -1, -1, 0, 1, 1, 1, 0, -1, 1, 1, 0, -1, -1, -1, 0, 0, 1, -1, 0, 0, 0, 1, 0, -1, 0, 1, 0, 1, 1, -1, 0, -1, 1, 0, 0, 1, -1, -1, 0, 1, -1, -1, 0, -1, 1, 0, 0, 1, -1, ...と続く。

定義

メビウス関数。μ(n)と書かれる。Wikipedia メビウス関数に記載の定義を図2に載せる。

図2 Wikipedia メビウス関数より引用

例えば、n=2・3・5 のように、素因数分解したときに各素数が一つずつなら、素因数の個数の偶奇に応じて、±1の値をとる(この場合は奇数個なので-1)。一方で、n=3・72・113 のように、どれかの素因数の冪が2以上であるなら、0になる。

n A8683(n) 説明
1 1 定義より、1
2 -1 素因数が奇数個(2のみ)なので、-1
3 -1 素因数が奇数個(3のみ)なので、-1
4 0 4=22で、冪が2以上の素因数を含むため、0
5 -1 素因数が奇数個(5のみ)なので、-1
6 1 素因数が偶数個({2, 3}の2個)なので、1
7 -1 素因数が奇数個(7のみ)なので、-1
8 0 8=23で、冪が2以上の素因数を含むため、0
9 0 9=32で、冪が2以上の素因数を含むため、0
10 1 素因数が偶数個({2, 5}の2個)なので、1
11 -1 素因数が奇数個(11のみ)なので、-1
12 0 12=22・3で、冪が2以上の素因数を含むため、0

https://mathworld.wolfram.com/MoebiusFunction.html

A5117(無平方数)

A005117 - OEIS

データ

n123456789101112...
A5117(n)123567101113141517...

数列(offset=1)は、1, 2, 3, 5, 6, 7, 10, 11, 13, 14, 15, 17, 19, 21, 22, 23, 26, 29, 30, 31, 33, 34, 35, 37, 38, 39, 41, 42, 43, 46, 47, 51, 53, 55, 57, 58, 59, 61, 62, 65, 66, 67, 69, 70, 71, 73, 74, 77, 78, 79, 82, 83, 85, 86, 87, 89, 91, 93, 94, 95, 97, 101, 102, 103, 105, 106, 107, 109, 110, 111, 113, ...と続く。

定義

A5117は、どんな平方数(≠1)でも割り切れないような数を、昇順に並べた数列。

英語では、squarefree numbers という。

候補 判定 説明
4 無平方数でない 4は、22であり、平方数である4=22によって割り切れる
5 無平方数 5は、5であり、どんな平方数(≠1)でも割り切れない
6 無平方数 6は、2×3であり、どんな平方数(≠1)でも割り切れない
8 無平方数でない 8は、23であり、平方数である4=22で割り切れる
18 無平方数でない 18は、2×32であり、平方数である9=32で割り切れる

A8966(無平方数の特性関数)

A008966 - OEIS

定義

A8966(n)は、nが無平方数の時に1に、そうでない時に0である。

A13029(無平方数でない数)

A013929 - OEIS

データ

n123456789101112...
A13029(n)489121618202425272832...

数列(offset=1)は、4, 8, 9, 12, 16, 18, 20, 24, 25, 27, 28, 32, 36, 40, 44, 45, 48, 49, 50, 52, 54, 56, 60, 63, 64, 68, 72, 75, 76, 80, 81, 84, 88, 90, 92, 96, 98, 99, 100, 104, 108, 112, 116, 117, 120, 121, 124, 125, 126, 128, 132, 135, 136, 140, 144, 147, 148, 150, 152, 153, 156, 160, ... と続く。

定義

無平方数でない数。すなわち、(少なくとも一つの)平方数(≠1)で割り切れるような数。

二重否定のような書き方だが、「平方数」とは異なるものであることに注意。

英語では、non-squarefree numbers、または、squareful numbers と呼ぶ。

候補 判定 説明
4 無平方数でない 4は、22であり、平方数である4=22によって割り切れる
5 無平方数 5は、5であり、どんな平方数(≠1)でも割り切れない
6 無平方数 6は、2×3であり、どんな平方数(≠1)でも割り切れない
8 無平方数でない 8は、23であり、平方数である4=22で割り切れる
18 無平方数でない 18は、2×32であり、平方数である9=32で割り切れる

A30059(奇数個の相異なる素数の積)

A030059 - OEIS

データ

n123456789101112...
A30059(n)23571113171923293031...

数列(offset=1)は、2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 30, 31, 37, 41, 42, 43, 47, 53, 59, 61, 66, 67, 70, 71, 73, 78, 79, 83, 89, 97, 101, 102, 103, 105, 107, 109, 110, 113, 114, 127, 130, 131, 137, 138, 139, 149, 151, 154, 157, 163, 165, 167, 170, 173, 174, 179, 181, 182, 186, 190, 191, 193, ...と続く。

定義

奇数個の相異なる素数の積。

最初の方を見るとまるで素数のようだが、異なるものであることに注意。

リストに含まれる:

  • 7
  • 30=2・3・5
  • 42=2・3・7

リストに含まれない:

  • 1
  • 6=2・3
  • 12=22・3
  • 25=52
  • 27=33
  • 210=2・3・5・7

A30229(偶数個の相異なる素数の積)

A030229 - OEIS

データ

n123456789101112...
A30229(n)1610141521222633343538...

数列(offset=1)は、1, 6, 10, 14, 15, 21, 22, 26, 33, 34, 35, 38, 39, 46, 51, 55, 57, 58, 62, 65, 69, 74, 77, 82, 85, 86, 87, 91, 93, 94, 95, 106, 111, 115, 118, 119, 122, 123, 129, 133, 134, 141, 142, 143, 145, 146, 155, 158, 159, 161, 166, 177, 178, 183, 185, 187, 194, 201, 202, 203, 205, 206, 209, 210, 213, 214, ...と続く。

定義

偶数個の相異なる素数の積。

リストに含まれる:

  • 1
  • 6=2・3
  • 210=2・3・5・7

リストに含まれない:

  • 7
  • 12=22・3
  • 25=52
  • 27=33
  • 30=2・3・5
  • 42=2・3・7