OEIS:手続き(1)

OEIS(http://oeis.org/)で、手続き的な整数列を整理する。

OEIS整理シリーズのトップ:OEIS:前置き - pzdcの雑記

RUN自己生成

A1462(自然数のRUN自己生成)

A001462 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A1462(n)12233444555666...

数列(offset=1)は、1, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 5, 6, 6, 6, 6, 7, 7, 7, 7, 8, 8, 8, 8, 9, 9, 9, 9, 9, 10, 10, 10, 10, 10, 11, 11, 11, 11, 11, 12, 12, 12, 12, 12, 12, 13, 13, 13, 13, 13, 13, 14, 14, 14, 14, 14, 14, 15, 15, 15, 15, 15, 15, 16, 16, 16, 16, 16, 16, 16, 17, 17, 17, 17, 17, 17, 17, 18, 18, 18, 18, 18, 18, 18, 19, ...と続く。

定義

A1462(n)は、A1462(1)=1から開始する単調非減少整数列であり、A1462(n)はこの整数列自身にnが登場する回数を表す。

Golombの数列と呼ばれる。

下の図で、一行目にはA1462(n)を書いている。その下に、同じ数が連続する区間(「RUN」と呼ばれる)をまとめており、さらにその下に、各区間の長さを示している。

最後の行がA1462(n)自身と一致している様子が、見て取れる。

構成例

まず、

1, ...

と書く。

a(1)が1であることから、次は2で、a(2)が2であることから、2が2連続で現れる。

1, 2, 2, ...

a(3)が2なので、次は3が2連続で現れる。

1, 2, 2, 3, 3, ...

a(4)が3なので、次は4が3連続で現れる。

1, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 4, ...

a(5)は3なので、次は5が3連続で現れる。

1, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 5, ...

a(6)は4なので、次は6が4連続で現れる。

1, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 5, 6, 6, 6, 6, ...

a(7)は4なので、次は7が4連続で現れる。

1, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 5, 6, 6, 6, 6, 7, 7, 7, 7, ...

この手続きを繰り返していくことで整数列を求めていくことができる。

A2(1、2のRUN自己生成)

A000002 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A2(n)12211212212211...

数列(offset=1)は、1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, ...と続く。

定義

A2(n)は、A2(1)=1から開始する1と2だけからなる整数列であり、A2(n)はこの整数列自身のn番目のRUN(同じ数の連続部分)の長さを表す。

Kolakoskiの数列と呼ばれる。

ひとつ前に掲載したA1462(Golombの数列)とよく似た数列である。

構成例

まず、

1, ...

と書く。

a(1)が1なので次は2であり、a(2)が2であることから次は2が2連続で現れる。

1, 2, 2, ...

a(3)が2なので、次は1が2連続で現れる。

1, 2, 2, 1, 1, ...

a(4)が1なので、次は2が1連続で現れる。

1, 2, 2, 1, 1, 2, ...

a(5)が1なので、次は1が1連続で現れる。

1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, ...

a(6)が2なので、次は2が2連続で現れる。

1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, ...

A78880(2、1のRUN自己生成)

A078880 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A78880(n)22112122122112...

数列(offset=1)は、2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 1, 1, 2, 1, ...と続く。

定義

A78880(n)は、A78880(1)=2から開始する1と2だけからなる整数列であり、A78880(n)はこの整数列自身のn番目のRUN(同じ数の連続部分)の長さを表す。

関係

A78880(n)=A2(n+1)

A2は、1、2のRUN自己生成。

A64353(1、3のRUN自己生成)

A064353 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A64353(n)13331113331313...

数列(offset=1)は、1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, 3, 1, 3, 1, 3, 3, 3, 1, 1, 1, 3, 3, ...と続く。

定義

A64353(n)は、A64353(1)=1から開始する1と3だけからなる整数列であり、A64353(n)はこの整数列自身のn番目のRUN(同じ数の連続部分)の長さを表す。

RUNに関する漸化式

A5150(RUNの長さと値を初項1から方法Aで見る)

A005150 - OEIS

データ

n123456789...
A5150(n)11121121111122131221113112221111321321131131211131221...

数列(offset=1)は、1, 11, 21, 1211, 111221, 312211, 13112221, 1113213211, 31131211131221, 13211311123113112211, 11131221133112132113212221, 3113112221232112111312211312113211, 1321132132111213122112311311222113111221131221, 11131221131211131231121113112221121321132132211331222113112211, 311311222113111231131112132112311321322112111312211312111322212311322113212221, ...と続く。

定義

A5150(n)は、初項が1である。A5150(n+1)は、A5150(n)をRUNに分解した際の、RUNの長さと値を(十進法で)並べた数である。

なお、(定義より、結果的に)1と2と3しか現れない(逆向き解析をすればわかる)。

これは、OEISではRUNと呼んでいない。「look and say」と呼ばれている。look and sayする際に、長さ→値の順番に読むものを「方法A」、逆に、値→長さの順番に読むものを「方法B」としている。

n A5150(n) 説明
1 1 定義より、1
2 11 A5150(1)=1は「1個(だけ)連続した1」である。したがって「11」
3 21 A5150(2)=11は、「2個連続した1」である。したがって「21」
4 1211 A5150(3)=21は、「1個(だけ)連続した2、1個(だけ)連続した1」である。したがって「1211」
5 111221 A5150(4)=1211は、「1個(だけ)連続した1、1個(だけ)連続した2、2個連続した1」である。したがって「111221」
6 312211 A5150(5)=111221は、「3個連続した1、2個連続した2、1個(だけ)連続した1」である。したがって「312211」

A7651(RUNの長さと値を初項1から方法Bで見る)

A007651 - OEIS

データ

n123456789...
A7651(n)11112112112211111221312221131112312311112213111213113...

数列(offset=1)は、1, 11, 12, 1121, 122111, 112213, 12221131, 1123123111, 12213111213113, 11221131132111311231, 12221231123121133112213111, 1123112131122131112112321222113113, 1221311221113112221131132112213121112312311231, ...と続く。

定義

A7651(n)は、初項が1である。A7651(n+1)は、A7651(n)をRUNに分解した際の、RUNの値と長さを(十進法で)並べた数である。

n A7651(n) 説明
1 1 定義より、1
2 11 A7651(1)=1は「1が1個(だけ)連続」である。したがって「11」
3 12 A7651(2)=11は、「1が2個連続」である。したがって「12」
4 1121 A7651(3)=12は、「1が1個(だけ)連続、2が1個(だけ)連続」である。したがって「1121」
5 122111 A7651(4)=1121は、「1が2個連続、2が1個(だけ)連続、1が1個(だけ)連続」である。したがって「122111」
6 112213 A7651(5)=122111は、「1が1個(だけ)連続、2が2個連続、1が3個連続」である。したがって「112213」

ノースリー等差

A229037(ノースリー等差)

A229037 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A229037(n)11211224411211...

数列(offset=1)は、 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 2, 4, 4, 5, 5, 8, 5, 5, 9, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 2, 4, 4, 5, 5, 8, 5, 5, 9, 9, 4, 4, 5, 5, 10, 5, 5, 10, 2, 10, 13, 11, 10, 8, 11, 13, 10, 12, 10, 10, 12, 10, 11, 14, 20, 13, ...と続く。

定義

A229037(n)は、n項目までの項を等間隔に3項(n項目を含む)取ってきた時に等差数列にならない最小の正の整数である。

3つの等間隔な項が等差数列にならない性質は、「no three-term arithmetic progression」と呼ばれる。より一般に、集合が、等差数列にならないような(相異なる)3要素を含まない時、「non averaging set」と呼ぶようだ。

A229037は、グラフが森林の火災のように見えることから、「forest fire」と呼ばれる。

n A229037(n) 説明
1 1 1(最小の正の整数)になる(まだ第1項なので、等差数列の心配はない)。
2 1 1(最小の正の整数)になる(まだ第2項なので、等差数列の心配はない)。
3 2 1とすると、[a(1), a(2), a(3)]が[1, 1, 1]となって等差数列(公差=0)になってしまう。
2なら問題ない。
4 1 1とすると、[a(2), a(3), a(4)]=[1, 2, 1]は等差数列でないため、問題ない。
5 1 1とすると、[a(1), a(3), a(5)]=[1, 2, 1]、[a(3), a(4), a(5)]=[2, 1, 1]となり、これらはいずれも等差数列でないため、問題ない。
6 2 1だと[a(4), a(5), a(6)]が等差数列([1, 1, 1])になってしまう(他にもある)。
2だと、[a(2), a(4), a(6)]=[1, 1, 2]、[a(4), a(5), a(6)]=[1, 1, 2]となり、いずれも等差数列でないため、問題ない。
7 2 1だと[a(1), a(4), a(7)]が等差数列になってしまう。
2だと、[a(1), a(4), a(7)]、[a(3), a(5), a(7)]、[a(5), a(6), a(7)]は、いずれも等差数列にならないため、問題ない。
8 4 1だと[a(2), a(5), a(8)]が等差数列になってしまう。
2だと[a(6), a(7), a(8)]が等差数列になってしまう。
3だと[a(4), a(6), a(8)]が等差数列になってしまう。
4だと、問題ない(これまでに登場した最大数の2倍(以上)なので、等差数列になりえない)。
9 4 1だと[a(1), a(5), a(9)]が等差数列になってしまう。
2だと[a(3), a(6), a(9)]が等差数列になってしまう。
3だと[a(5), a(7), a(9)]が等差数列になってしまう。
4だと、問題ない。

上の例では等差数列として、差が0以上のものしか現れていないが、差が負の等差数列も禁止していることに注意。実際、a(55)=9だが、a(55)が2になることを禁止している組み合わせは[a(51), a(53), a(55)]=[8, 5, ?]だけである。

n A229037(n) 説明
55 9 1だと[a(1), a(28), a(55)]=[1, 1, 1]が等差数列になってしまう。
2だと[a(51), a(53), a(55)]=[8, 5, 2]が等差数列になってしまう。
3だと、[a(37), a(46), a(55)]=[1, 2, 3]が等差数列になってしまう(他にもある)。
4だと[a(35), a(45), a(55)]=[4, 4, 4]が等差数列になってしまう(他にもある)。
5だと[a(49), a(52), a(55)]=[5, 5, 5]が等差数列になってしまう。
6だと[a(45), a(50), a(55)]=[4, 5, 6]が等差数列になってしまう(他にもある)。
7だと[a(41), a(48), a(55)]=[1, 4, 7]が等差数列になってしまう。
8だと[a(43), a(49), a(55)]=[2, 5, 8]が等差数列になってしまう。
9だと、問題ない。

A309890(ノースリー非負公差等差)

A309890 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A309890(n)11211224411211...

数列(offset=1)は、1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 2, 4, 4, 5, 5, 8, 5, 5, 9, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 2, 4, 4, 5, 5, 8, 5, 5, 9, 2, 4, 4, 5, 5, 10, 5, 5, 10, 10, 11, 13, 10, 11, 10, 11, 13, 10, 10, 12, 13, 10, 13, 11, 12, 20, 11, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 1, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 4, 4, 2, ...と続く。

定義

A309890(n)は、n項目までの項を等間隔に3項(n項目を含む)取ってきた時に、公差が非負の等差数列にならないような、最小の正の整数である。

n A309890(n) 説明
55 9 1だと[a(1), a(28), a(55)]=[1, 1, 1]が等差数列になってしまう。
2だと[a(51), a(53), a(55)]=[8, 5, 2](のみ)が等差数列になるが、これは公差が負の等差数列なので、問題ない。

関係

A229037(ノースリー等差)は、公差が負であるかどうかを気にしない(負であっても禁止する)。A309890(ノースリー非負公差等差)は、気にする(負の場合は禁止しない)。数列には第55項で初めて差が表れる。

A94870(同数禁ノースリー等差)

A094870 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A94870(n)1243568710913121411...

数列(offset=1)は、1, 2, 4, 3, 5, 6, 8, 7, 10, 9, 13, 12, 14, 11, 17, 16, 22, 15, 23, 18, 21, 20, 25, 24, 26, 19, 28, 27, 29, 36, 32, 31, 33, 39, 38, 34, 41, 30, 37, 35, 44, 48, 42, 40, 43, 50, 46, 52, 47, 45, 54, 49, 56, 58, 57, 51, 61, 53, 59, 63, 60, 68, 64, 62, 70, 55, 65, 67, 73, 69, 83, 76, ...と続く。

定義

A94870(n)は、n項目までの項を等間隔に3項(n項目を含む)取ってきた時に等差数列にならないような、かつ、それまでに出現していない、最小の正の整数である。

n A94870(n) 説明
1 1 初項なので1(最小の正の整数)になる。
2 2 1は既に(第1項に)出現している(ため、1にはならない)。
2だと、問題ない(まだ第2項なので、等差数列の心配はない)。
3 4 1と2は既に(第1項と第2項で)出現している。
3だと、等差数列になってしまう。
4だと、問題ない。
4 3 1、2、4は既に出現している。3は、問題ない。
5 5 1~4は既に出現している。5は、問題ない。
6 6 1~5は既に出現している。6は、問題ない。
7 8 1~6は既に出現している。
7だと、等差数列になってしまう。
8だと、問題ない。
8 7 1~6と、8は既に出現している。7だと、問題ない。
9 10 1~8は、すでに出現している。
9だと、[a(1), a(5), a(9)]=[1, 5, 9]となり等差数列になってしまう。
10だと、問題ない。

A101884(単調増加なノースリー等差)

A101884 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A101884(n)1245891112161819212628...

数列は、1, 2, 4, 5, 8, 9, 11, 12, 16, 18, 19, 21, 26, 28, 29, 32, 33, 35, 36, 39, 43, 44, 46, 47, 54, 56, 59, 60, 62, 63, 68, 69, 71, 72, 80, 82, 86, 88, 91, 93, 94, 99, 103, 106, 113, 115, 116, 120, 122, 127, 130, 131, 133, 134, 137, 141, 142, 144, 145, 149, 154, ... と続く。

定義

A101884(n)は、n項目までの項を等間隔に3項(n項目を含む)取ってきた時に等差数列にならないような、かつ、A101884(n-1)よりも大きい、最小の正の整数である。

n A101884(n) 説明
1 1 初項なので1(最小の正の整数)になる。
2 2 前の項が1なので2以上である。
2になる(まだ第2項なので等差数列になる心配はない)。
3 4 前の項が2なので3以上である。
3だと、[a(1), a(2), a(3)]=[1, 2, 3]が等差数列になってしまう。
4だと、問題ない。
4 5 前の項が4なので5以上である。
5だと、問題ない。
5 8 前の項が5なので6以上である。
6だと、[a(3), a(4), a(5)]=[4, 5, 6]が等差数列になってしまう。
7だと、[a(1), a(3), a(5)]=[1, 4, 7]が等差数列になってしまう。
8だと、問題ない。
6 9 前の項が8なので9以上である。9だと、問題ない。
7 11 前の項が9なので10以上である。
10だと、[a(5), a(6), a(7)]=[8, 9, 10]が等差数列になってしまう。
11だと、問題ない。

Stanley数列

Stanley数列とは

Stanley数列は、次の3つの規則で決まる数列である。

  1. 強い意味で増加数列である。
  2. 数列の「任意の位置から」3つの相異なる項を取り出した時に、等差数列にならない。
  3. 第n項を決定する際に、可能な限り小さい整数を選ぶ(欲張り戦略)。

上の、2つ目の規則は、前の節に書いた「ノースリー等差」(正確には no three-term arithmetic progression)に類似しているが、異なるものである。強調している箇所「任意の位置から」に注意する。例えば、1, 11, 13, 21 という数列は、第1, 2, 4項を取り出せば[1, 11, 21]であり、これは等差数列なので、禁止される。「相異なる」の部分も大事で、同じ項を3つ(復元抽出で)選んで等差数列です、とはしない。

実際にStanley数列を作る際には、最初の数項を与える。例えば[1, 3]を与えて続きの数列を作る場合には、S(1, 3)と書く。典型的には、最初の2項を与えるようだが、1項だけ与えるのでも良く、その場合はS(1)のように書く。S(n)は、第2項に必ずn+1が来るため、S(n, n+1)と同じ数列になる。その他性質として、最初に与える列に定数を足すと、数列全体がその定数分だけシフトする。

参考:

A5836(S(0)、S(0, 1))

A005836 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A5836(n)01349101213272830313637...

数列(offset=1)は、0, 1, 3, 4, 9, 10, 12, 13, 27, 28, 30, 31, 36, 37, 39, 40, 81, 82, 84, 85, 90, 91, 93, 94, 108, 109, 111, 112, 117, 118, 120, 121, 243, 244, 246, 247, 252, 253, 255, 256, 270, 271, 273, 274, 279, 280, 282, 283, 324, 325, 327, 328, 333, 334, 336, 337, 351, 352, ...と続く。

定義

Stanley数列S(0)である。または、Stanley数列S(0, 1)である。

n A5836(n) 説明
1 0 定義より0
2 1 前の項が0なので1以上である。
1になる(まだ第2項なので等差数列の心配はない)。
3 3 前の項が1なので2以上である。
2だと、[a(1), a(2), a(3)]=[0, 1, 2]となり、等差数列になってしまう。
3だと、問題ない。
4 4 前の項が3なので4以上である。
4だと、問題ない([0,1,4], [0,3,4], [1,3,4]はいずれも等差数列ではないため)。
5 9 前の項が4なので5以上である。
5だと、[a(3), a(4), a(5)]=[3, 4, 5]が等差数列になってしまう(他にもある)。
6だと、[a(1), a(3), a(5)]=[0, 3, 6]が等差す列になってしまう。
7だと、[a(2), a(4), a(5)]=[1, 4, 7]が等差数列になってしまう。
8だと、[a(1), a(4), a(5)]=[0, 4, 8]が等差数列になってしまう。
9だと、問題ない。
6 10 前の項が9なので10以上である。
10だと、問題ない。
7 12 11だと、[a(5), a(6), a(7)]=[9, 10, 11]が等差数列になってしまう。
8 13
9 27 14だと7,8,9項目が等差数列(12,13,14)、
15だと5,7,9項目が等差数列(9,12,15)、
16だと6,8,9項目が等差数列(10,13,16)、
17だと5,8,9項目が等差数列(9,13,17)、
18だと1,5,9項目が等差数列(0,9,18)、
19だと2,6,9項目が等差数列(1,10,19)、
20だと4,7,9項目が等差数列(4,12,20)、
21だと3,7,9項目が等差数列(3,12,21)、
22だと4,8,9項目が等差数列(4,13,22)、
23だと3,8,9項目が等差数列(3,13,23)、
24だと1,7,9項目が等差数列(0,12,24)、
25だと2,8,9項目が等差数列(1,13,25)、
26だと1,8,9項目が等差数列(0,13,26)、
27だと問題ない。

A3278(S(1)、S(1, 2))

A003278 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A3278(n)124510111314282931323738...

数列(offset=1)は、1, 2, 4, 5, 10, 11, 13, 14, 28, 29, 31, 32, 37, 38, 40, 41, 82, 83, 85, 86, 91, 92, 94, 95, 109, 110, 112, 113, 118, 119, 121, 122, 244, 245, 247, 248, 253, 254, 256, 257, 271, 272, 274, 275, 280, 281, 283, 284, 325, 326, 328, 329, 334, 335, 337, 338, 352, 353, ...と続く。

定義

Stanley数列S(1)である。または、Stanley数列S(1, 2)である。

n A3278(n) 説明
1 1 定義より1
2 2 前の項が1なので2以上である。
2になる(まだ第2項なので等差数列の心配はない)。
3 4 前の項が2なので3以上である。
3だと、[a(1), a(2), a(3)]=[1, 2, 3]となり、等差数列になってしまう。
4だと、問題ない。
4 5 前の項が4なので5以上である。
5だと、問題ない([1, 2, 5], [1, 4, 5], [2, 4, 5]はいずれも等差数列ではないため)。
5 10 前の項が5なので6以上である。
6だと、[a(3), a(4), a(5)]=[4, 5, 6]が等差数列になってしまう(他にもある)。
7だと、[a(1), a(3), a(5)]=[1, 4, 7]が等差数列になってしまう。
8だと、[a(2), a(4), a(5)]=[2, 5, 8]が等差数列になってしまう。
9だと、[a(1), a(4), a(5)]=[1, 5, 9]が等差数列になってしまう。
10だと、問題ない。

関係

A3278(n) = A5836(n) + 1

  • A5836(S(0)、S(0, 1))

A186776(S(0, 2))

A186776 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A186776(n)02359111214272930323638...

数列(offset=1)は、0, 2, 3, 5, 9, 11, 12, 14, 27, 29, 30, 32, 36, 38, 39, 41, 81, 83, 84, 86, 90, 92, 93, 95, 108, 110, 111, 113, 117, 119, 120, 122, 243, 245, 246, 248, 252, 254, 255, 257, 270, 272, 273, 275, 279, 281, 282, 284, 324, 326, 327, 329, 333, 335, 336, 338, 351, 353, 354, 356, 360, 362, 363, 365, 729, 731, 732, 734, 738, 740, ...と続く。

定義

Stanley数列S(0, 2)である。

n A186776(n) 説明
1 0 定義より0
2 2 定義より2
3 3 前の項が2なので3以上である。
3になる([0, 2, 3]は等差数列でないため、問題ない)。
4 5 前の項が3なので4以上である。
4だと、[a(2), a(3), a(4)]=[2, 3, 4]が等差数列になってしまう。
5だと、問題ない。
5 9 6だと、[a(1), a(3), a(5)]=[0, 3, 6]が等差数列になってしまう。
7だと、[a(3), a(4), a(5)]=[3, 5, 7]が等差数列になってしまう。
8だと、[a(2), a(4), a(5)]=[2, 5, 8]が等差数列になってしまう
9だと、問題ない。
6 11 10だと、[a(1), a(4), a(6)]=[0, 5, 10]が等差数列になってしまう。
11だと、問題ない。
7 12
8 14 13だと、[a(6), a(7), a(8)]=[11, 12, 13]が等差数列になってしまう。
14だと、問題ない。
9 27 15だと5,7,9項目が等差数列(9,12,15)、
16だと7,8,9項目が等差数列(12,14,16)、
17だと6,8,9項目が等差数列(11,14,17)、
18だと1,5,9項目が等差数列(0,9,18)、
19だと5,8,9項目が等差数列(9,14,19)、
20だと2,6,8項目が等差数列(2,11,20)、
21だと3,7,9項目が等差数列(3,12,21)、
22だと2,7,9項目が等差数列(2,12,22)、
23だと4,8,9項目が等差数列(5,14,23)、
24だと1,7,9項目が等差数列(0,12,24)、
25だと3,8,9項目が等差数列(3,14,25)、
26だと2,8,9項目が等差数列(2,14,26)、
27だと、問題ない。

A4793(S(1, 3))

A004793 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A4793(n)134610121315283031333739...

数列(offset=1)は、1, 3, 4, 6, 10, 12, 13, 15, 28, 30, 31, 33, 37, 39, 40, 42, 82, 84, 85, 87, 91, 93, 94, 96, 109, 111, 112, 114, 118, 120, 121, 123, 244, 246, 247, 249, 253, 255, 256, 258, 271, 273, 274, 276, 280, 282, 283, 285, 325, 327, 328, 330, 334, 336, 337, 339, 352, 354, ...と続く。

定義

Stanley数列S(1, 3)である。

n A4793(n) 説明
1 1 定義より1
2 3 定義より3
3 4 前の項が3なので4以上である。
4になる([1, 3, 4]は等差数列でないため、問題ない)。
4 6 前の項が4なので5以上である。
5だと、[a(2), a(3), a(4)]=[3, 4, 5]が等差数列になってしまう。
6だと、問題ない。
5 10 7だと、[a(1), a(3), a(5)]=[1, 4, 7]が等差数列になってしまう。
8だと、[a(3), a(4), a(5)]=[4, 6, 8]が等差数列になってしまう。
9だと、[a(2), a(4), a(6)]=[3, 6, 9]が等差数列になってしまう。
10だと、問題ない。

関係

A4793(n) = A186776(n) + 1

  • A186776(S(0, 2))

A93682(Stanley数列配列の対角読み)

A093682 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A93682(n)121431544110657...

数列(offset=0)は、1, 2, 1, 4, 3, 1, 5, 4, 4, 1, 10, 6, 5, 7, 1, 11, 10, 8, 8, 10, 1, 13, 12, 10, 10, 11, 19, 1, 14, 13, 13, 11, 13, 20, 28, 1, 28, 15, 14, 16, 14, 22, 29, 55, 1, 29, 28, 17, 17, 20, 23, 31, 56, 82, 1, 31, 30, 28, 20, 22, 28, 32, 58, 83, 163, 1, 32, 31, 31, 28, 23, 29, 37, 59, 85, ...と続く。

定義

Stanley数列を次のように配列に並べる:

  1,  2,  4,  5, 10, 11, 13, ...
  1,  3,  4,  6, 10, 12, 13, ...
  1,  4,  5,  8, 10, 13, 14, ...
  1,  7,  8, 10, 11, 16, 17, ...
  1, 10, 11, 13, 14, 20, 22, ...
  ...

ここで、各行はStanley配列S(1, n)である。nは、行によって異なる値である(2列目の値2, 3, 4, 7, 10, ...である)。

nは、m行目(m=1,2,3,...)に対して1 + (1 + [m even])·3 ^ floor((m-1)/2)という式で与えられる(OEISの式はfloorの中が(m/2)となっているが、おそらく誤植であるので修正している)([m even]の部分は、mが偶数なら1を加えることを意味している、と解釈した)。すなわち2, 3, 4, 7, 10, 19, 28, 55, 82, 163, ...。これはA038754 - OEISに1を加えた整数列。

A93682は、この配列を斜めに読んでいく順番に並べ替えた数列である(下図)。

もう少し広い範囲で計算した数値を下に載せる。

1,   2,   4,   5,  10,  11,  13,  14,  28,  29,  31,  32,  37,  38,  40,  41,  82,  83,  85,  86,  91,  92, ...
1,   3,   4,   6,  10,  12,  13,  15,  28,  30,  31,  33,  37,  39,  40,  42,  82,  84,  85,  87,  91,  93, ...
1,   4,   5,   8,  10,  13,  14,  17,  28,  31,  32,  35,  37,  40,  41,  44,  82,  85,  86,  89,  91,  94, ...
1,   7,   8,  10,  11,  16,  17,  20,  28,  34,  35,  37,  38,  43,  44,  47,  82,  88,  89,  91,  92,  97, ...
1,  10,  11,  13,  14,  20,  22,  23,  28,  37,  38,  40,  41,  47,  49,  50,  82,  91,  92,  94,  95, 101, ...
1,  19,  20,  22,  23,  28,  29,  31,  32,  46,  47,  49,  50,  56,  58,  59,  82, 100, 101, 103, 104, 109, ...
1,  28,  29,  31,  32,  37,  38,  40,  41,  56,  58,  59,  64,  65,  67,  68,  82, 109, 110, 112, 113, 118, ...
1,  55,  56,  58,  59,  64,  65,  67,  68,  82,  83,  85,  86,  91,  92,  94,  95, 136, 137, 139, 140, 145, ...
1,  82,  83,  85,  86,  91,  92,  94,  95, 109, 110, 112, 113, 118, 119, 121, 122, 164, 166, 167, 172, 173, ...
1, 163, 164, 166, 167, 172, 173, 175, 176, 190, 191, 193, 194, 199, 200, 202, 203, 244, 245, 247, 248, 253, ...
1, 244, 245, 247, 248, 253, 254, 256, 257, 271, 272, 274, 275, 280, 281, 283, 284, 325, 326, 328, 329, 334, ...
1, 487, 488, 490, 491, 496, 497, 499, 500, 514, 515, 517, 518, 523, 524, 526, 527, 568, 569, 571, 572, 577, ...
1, 730, 731, 733, 734, 739, 740, 742, 743, 757, 758, 760, 761, 766, 767, 769, 770, 811, 812, 814, 815, 820, ...
...

OEISの参照

A53169(OEISのIDを含まないIDの列)

A053169 - OEIS

データ

n1234567891011121314...
A53169(n)4791112131517182021222324...

数列(offset=1)は、4, 7, 9, 11, 12, 13, 15, 17, 18, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 60, 61, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 70, 71, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99, 100, ...と続く。

定義

A53169は、OEISの整数列でIDがnでかつ整数列の中にnが含まれないようなnを、昇順に並べた整数列。

この整数列は、53169を含むかどうかが未定義である。

候補 評価
1 OEIS A1は、0, 1, 1, 1, ...で始まる整数列で、1を含むため、A53169は1を含まない。
2 OEIS A2は、1, 2, 2, 1, ...で始まる整数列で、2を含むため、A53169は2を含まない。
3 OEIS A3は、1, 1, 1, 1, 2, 2, 1, 2, 2, 2, 3, 2, ...と続く整数列で、3を含むため、A53169は3を含まない。
4 OEIS A4は、0, 0, 0, 0, 0, 0, ...と続く整数列で、4を含まないため、A53169は4を含む。