パズルっぽい話題 1

少し奇妙な話でもあるが、パズル愛好家(私を含む)の中には、定番パズルを馬鹿にするような、そういう側面が時たま見られる。パズル愛好家を名乗るのならば、広くパズルを愛する人でいたい、と私は、思う。しかし、何かを嫌いになるというのは、自分自身でコントロールするのが難しく、いったん嫌いになると、元の気持ちを取り戻すことは難しい。そのために、何かきっかけがあるといいのだと思う。

「ボードパズル読本」秋山 久義 著、新紀元社(2009)という本がある。

この本は、タイトルや、表紙を見ると、一瞬ボードゲームの本かな?と思われるのだが、冷静に見てみるとわかるように、パズルの本である。

個人的にはこの本はとても気に入っている。ソリティア、箱入り娘、ハノイの塔、などの定番パズル、それに捻りを加えていったパズルや、現代寄りのパズル(ある意味で「変態的な」?)に至るまで、多様なパズルに関する話題を見ることができる。単純に紹介しているだけでなく、掘り下げて考察を示しており、読んでいるともっと深い世界を知りたくなる。例えば、(標準的な)ハノイの塔は、いかにもつまらない手の反復という感じで、パズラーの中には好きでないとする人もいるのではないだろうか。実際にこの本を読んだ当時の私自身がハノイの塔を過小評価していたため、この本は私にとって印象深い本となった。私の知らないパズルの話題も沢山あった。この本は面白い本で、買ったのは3~4年前(2017年10月6日)だが、今でも時々本棚から取り出して読み返すくらいである。

歴史の部分に関しても記述があり、このあたりは正直に書くと今はさほど興味がないが、こういうのは年を取るにつれて興味が深まるというものな気がしている。老後の楽しみである。